2014年3月
三寒四温、3月は卒業式のシーズンです。
今年も市立呉高校の卒業式に参列させて頂きました。
校長先生の卒業生を送る式辞の中で、「志」について語られた一節がありました。
森信三先生の言葉を引用され、「志」とは「ろうそく」のようなものである。
志は一本芯が通っていて、その芯に火を燈せば明るくなる。
いつも情熱という心の火を燈すことによって志を全うすることができると。
いい話でした。
志になぞらえたローソクの火ですが不思議な魅力があるように思えます。
永い間、日本人が生活の明かりとして親しんできたいわゆる遺伝子なのでしょうか、その炎を見ていると心が落ち着いてきます。
そして「善き想い出」が引き出せます。
この善き想いがとても大切であるとも思います。
「想う」という行為が、私たちの「今」と「未来」を結びつけています。
忙しい日常の中で、人はつい、言葉=論理に走りがちです。
そして独り、取り越し苦労をしては困惑し続けます。
そうであるからこそ、今この瞬間に手を止め、しばし心にローソクを灯してみることが必要に思えてなりません。
また、芸術にもその力があります。
いいものに出会うこと、いい感性に触れること、心に暖かい火が灯るはずです。
呉市美術館で「高円宮家所蔵根付と宮中装束」特別展が3月中開催されます。
根付とは印籠や煙草入れなどを帯から提げる際に、紐の端に付けた小さな留め具です。
日本人根付士の精緻なまでの技法による美術工芸品を鑑賞していただければと思います。
そして古き時代の日本に想いを馳せ、受け継いできた歴史を回顧してください。
3月定例会は新年度予算議会です。
上下水道料金の値上げ(10月)や中学校給食の実施に伴う関連予算、小中学校校舎の耐震化促進、東京事務所の復活、阿賀マリノポリスの上屋、安芸灘大橋通行料のウイークデイ助成など重要案件が目白押しとなっています。
長丁場ですが呉市の将来にとって試金石ともなりうる大切な新年度予算案の審議となりますので、呉市の強靭化とでも言いますか、タフな呉市を目差して採決に望む決意です。