2006年5月
大和ミュージアムの人気はこのGW中も衰えることなく、1日の来館者数が、1万7千人を超える盛況であったとのこと。
戦後60周年と言う節目に開館できた幸運もあったにせよ、当初、年間の来館者数を40万人に設定していた、関係者からすると、年間170万人もの来館者があるとは、夢にも思わなかったことでしょう。
このミュージアムの建設費用は約60億円、年間の維持管理費を3億から4億円程見込んでいました。
独立採算で人件費も含め維持管理していくためには、年間150万人程度の来館者があって、赤字が出ないと試算されていました。
この勢いが継続して初めて、施設の減価償却或いは、投資にまわせる予算が、確保できると言うことになります。
元来公共施設は税金で建設され、運営することになりますから、各施設を独立採算で行う認識がありませんでした。
箱物行政を各自治体が国の指導の下、我先にと行った結果、湯水のごとく税収が上がる高度経済成長期を除き、1990年以降国も自治体も借金を重ね、国は800兆円、呉市は一般会計で1400億円の借金を抱えることになったのです。
景気が少々回復してもこの宇宙規模の借財は、到底返すことのできない金額まで膨れ上がっています。
自治体自体が本来自主財源の範囲内で、公共施設を建設、管理するべきところを、身の丈から大きく背伸びをした行政運営を続けると、必ず近い将来増税、ハイパーインフレ、国債金利の上昇を招き、爆発することになります。
徹底した行財政改革と、維持管理も含めた、独立採算方式への制度の見直しが、必要です。
場合によっては、廃止、事業からの撤退をも視野に入れなければなりません。
大和ミュージアムは博物館ですから、止めるわけにはいきません。
他の施設に皺寄せが来ないよう、人気が継続することを願うばかりです。